
~ジロンド河~
今回、メドックを訪問して一番体感する事が出来た気候の特徴はジロンド河の影響でした。
特に、そのジロンド河の影響を感じる事が出来たChateau Loudenne (シャトー ルデンヌ)は北部メドックに位置し、ジロンド川の河口付近で大西洋の海水が入り交じる汽水域に面する畑を所有しています。

風をもたらすジロンド川は最大で川幅が5kmもあり、この辺りでは干潮と満潮の時の水面の高さは5mもあるそうです。

メドック地方は西側に大西洋、東側にジロンド河と水に囲まれた産地で、海洋性気候の為、湿度が高く、ベト病と呼ばれるカビの病気が一番の問題になります。
今回の取材でも、ベト病を防ぐ事が出来ず、収穫が激減した為、有機農法を諦めるワイナリーが多いというお話を聞きました。
そんな中、Chateau Loudenneでは2017年から有機農法に取り組んでいます。
ジロンド河からの風により湿気が滞る事なく、ジロンド河から離れた畑に比べて、有機農法を採用する際に、非常に優位性があると感じました。

また、ジロンド川からの風により、冷気が畑にとどまらない為、霜の害がほとんどないそうです。
Chateau Loudenneでは霜の害は過去25年でたった1度だけでした。
同じボルドー地方でも霜の害を防ぐ為にヘリコプターを飛ばしたり、送風機を使用したりするワイナリーもある為、ジロンド川に近いというだけで、非常に大きな違いです。
また、夏場も暑すぎて葡萄の成長が止まるという事がほぼないそうです。ジロンド川の影響で、夏場は内陸に比べて3度ほど気温が低くなります。
近年の温暖化による気温の上昇に対しても、ジロンド河の近くに畑を所有している事はChateau Loudenneの強みのひとつであると感じました。
Chateau Loudenneは今回の旅で最も印象に残る風景でした。まるで海の様に見えるジロンド川から風が常に吹いてくる強い風を体感できる貴重な経験が出来ました。

Address: 33340 Saint-Yzans-de-Médoc
Tel: 05 56 73 17 88
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